がんの食事療法として最も有名な「ゲルソン療法」をまとめてみました

ゲルソン療法とは?

ゲルソン療法

ゲルソン療法とは、マックス・ゲルソン博士(1881~1959)が提唱した、がんをはじめとする病気の食事療法のことを言います。

 

ゲルソン博士は若いころ偏頭痛に苦しめられていましたが、食事の内容を改善すると偏頭痛が起こらなくなったことで、食事療法を編み出すに至りました。その後、食事療法は結核にも効果があることがわかり研究をしていましたが、結核とがんの両方を発症した患者に、結核のための食事療法を指導していたところ、がんにも効果があったため、がんの治療法としても着目するようになります。


最も厳格なゲルソン療法の原法

日本の食事療法の紹介本ではあまり触れられませんが、ゲルソン博士が最も重視したのは肝臓の機能回復です。

 

肝臓の機能回復についてゲルソン博士は次のように語っています。

“私は、ガンのそもそもの始まりは多分、肝臓の精密な働きの一つ、酸化酵素の再活性化が疎外されることなのだろうと考えている”(『ガン食事療法全書』69ページ)

 

ゲルソン博士はがんの根本原因を肝臓の機能障害と考えていたため、がんの治療において肝臓の機能回復をもっとも重視していました。

以下のゲルソン療法の具体的内容は、その目的のために有用と博士が結論づけたものなのです。

 

①無塩食

②大量の野菜・果物ジュースの摂取

③カリウム補給

④未精白の穀類の摂取

⑤油と動物性たんぱく質の制限

⑥亜麻仁油、甲状腺サプリメント(ヨードなど)、子牛の生レバーのジュースの摂取

⑦コーヒー浣腸

 

①ゲルソン療法で“無塩食”が採用された理由

ゲルソン博士が無塩食を勧めているのは、体内のミネラルのバランスをとるためです。

本来、身体はカリウムがナトリウム(塩)よりもバランス的に多く存在しなければならないのに、現代の食事はナトリウム過多になっています。

 

ゲルソン博士は、無塩食について次のように語っています。

詳細は、ゲルソン著『ガン食事療法全書』でご確認ください。

“断塩食の主な目的は、体中の組織から毒素や有害物質とともに、体に蓄積されたナトリウム、塩素、水を追い出すことである。”(『ガン食事療法全書』209ページ)

②ゲルソン療法で“大量の野菜・果物ジュース“を摂取する理由

野菜・果物には多くのカリウムが含まれており、これをジュースで大量に摂取して細胞のバランスをはかることが目的です。

 

ゲルソン博士は、大量の野菜・果物ジュースを摂取することを含む食事法について次のように語っています。

 “この治療食は体の組織からナトリウムを可能な限り追い出し、代ってカリウムが可能な限り多く組織にいきわたるようにするという原理に基づいている。”(『ガン食事療法全書』232ページ参照。) 

③ゲルソン療法で“カリウム”補給が採用された理由

ゲルソン療法では、本来細胞内で優勢であるべきカリウムを必要量摂るために、カリウムの10%溶液を摂取します。(『ガン食事療法全書』294ページ参照。)

本サイトの管理人あらふおは、マルマン株式会社のカリウムバランサーというサプリメントでカリウムを補っています。アマゾンで買えますので探してみてください。

・ゲルソン療法のジュースが無農薬・有機栽培の野菜で作られる必要はどこにある?

なぜ、ゲルソン療法のジュースで使用する野菜・果物は、有機野菜・無農薬野菜である必要があるのでしょうか?

ひとつ目の理由は、そもそもゲルソン療法は、身体の解毒作用を担当する肝臓の機能回復を最終的にめざしており、肝臓の機能回復を目指すかたわらで農薬という毒を体内に取り込んでいたら元も子もないからです。

もう一つの理由は、“有害な土壌で育った野菜や果物は、重要なカリウム・グループのミネラルに欠けたものになり、人間のとる栄養もゆがんだものになっている”(『ガン食事療法全書』65ページ)からです。

スーパーではなかなか無農薬・有機野菜を定期的に購入することが難しいので、インターネットで定期的にこれらの宅配を契約するのもひとつの選択肢と思います。

済陽医師の『100日でがんに勝つジュース&スープ』という本でおすすめの有機野菜生産者として紹介されているのが、千葉県の自然農法販売協同機構(おーがにっくがーでん)です。

管理人あらふおはこれまであちこち有機野菜業者を試して来ましたが、結局いまはここに落ち着いています。画像の下にリンクを貼っておきますのでご興味があればどうぞ。

ゲルソン療法

・ゲルソン療法のジュースを作るのは、ミキサーとジューサーどちらがいいの?

ゲルソン博士自身は、ジュースを作る器具について次のように語っています。

“ジュースをつくるためには、二種類の機具が必要である。すりつぶすグラインダーと絞り器が”別々になっているもので、ステンレスのものが一番望ましい。“(『ガン食事療法全書』233ページ)

 

ただ、これはゲルソン博士が存命であったずいぶん昔の話なので、現在では何を使用すればよいでしょうか?

まず、ミキサーとジューサーでは、ジューサーにすべきとされています。その理由は、ミキサーは食物繊維が残るのに対し、ジューサーは食物繊維を取り除くので、後者の方が大量の野菜・果物の摂取に向いているからです。

 

では、ジューサーのなかでは何がおすすめでしょうか? 済陽医師は、次のように述べています。

“ジューサーでも高速のスピンタイプと、低速のスクイーズタイプがあって、スクイーズタ

イプのほうが細胞の破壊が少なくて酸化しにくい。”

“むずかしい疾患、むずかしい状態の場合にはスクイーズタイプをすすめています”

(『「ガンが食事で治る」という真実』(マキノ出版))

 

ゲルソン博士自身が「すりつぶす」という表現を使っている点などを勘案すると、やはりスロージューサーが良いのでしょう。管理人あらふおは低速ジューサーであればどこのメーカーでも機能的には変わらないのではと考えているのですが、インターネット上のガン患者の多くは韓国のヒューロム製を使ってきているので定番を外さない(あっちの製品の方がより良いのではないかなど余計な心配事を抱え込まない)という意味でヒューロムを使っています。

④ゲルソン療法で“未精白の穀類“を摂取する理由

⑤ゲルソン療法で“脂肪“と“動物性たんぱく質“が制限される理由

ゲルソン博士は、動物性たんぱく質の制限について次のように語っています。

詳細は、ゲルソン著『ガン食事療法全書』でご確認ください。

“(動物性)蛋白質は少量加えても、出る尿の量および体から排出されるナトリウムを減らしてしまう。”(『ガン食事療法全書』110ページ)

⑦ゲルソン療法で“亜麻仁油“の摂取の理由

⑧ゲルソン療法で、“甲状腺剤(ヨード)“が摂取される理由

ゲルソン博士は、ヨードの処方について次のように語っています。

詳細は、ゲルソン著『ガン食事療法全書』でご確認ください。

“多くのガン患者は基礎代謝が非常に低いことを、私は最初に発見し、このことをヨードの欠乏を示す臨床症状だと解釈した。“(『ガン食事療法全書』59ページ)

⑨ゲルソン療法で“子牛の生レバージュース“が摂取される理由

ゲルソン博士は、レバージュースの摂取について次のように語っています。

詳細は、ゲルソン著『ガン食事療法全書』でご確認ください。

“レバー療法は、控え目な投与量でかつ自然なやり方でやる限り、一言で言って一種ルモン・酵素療法と考えることができる。グリコーゲン、カリウム・グループミネラル類、ビタミン類を肝臓や他の組織に取り戻させるのに役立ち・・・“(『ガン食事療法全書』114ページ)

⑨ゲルソン療法で“コーヒー浣腸“が行なわれる理由

ゲルソン博士がコーヒー浣腸を勧めている目的は、浣腸が体から有害物を追い出し体を解毒してくれるからです。本来これは肝臓の役割なのですが、がん患者の肝臓はこの機能が弱っているため、この機能が回復するまでコーヒー浣腸で補おうという理屈です。

そして誰もが疑問に思う、なぜ「コーヒー」なの?という点については、コーヒーに含まれるカフェインに注目されていたようです。

ゲルソン博士は、コーヒー浣腸について次のように語っています。

 詳細は、ゲルソン著『ガン食事療法全書』でご確認ください。

 

“私の経験では10~12分のうちに(浣腸)液の中のカフェインは、ほとんど全部体に吸収される。そしてそれが肛門の静脈から門脈の静脈を経て肝臓に達する。

患者はコーヒー浣腸は腸の働きをよくするためではなく、肝臓の動きを促すためのものだということを認識している必要がある。” (『ガン食事療法全書』237ページ)

 

なお、コーヒー浣腸は星野式ゲルソン療法でも済陽式食事療法でも取り入れられていません。しかしながら別の医師(新谷弘美氏)が提唱する健康法に取り入れられています。

新谷弘美医師はがん患者ではありませんが、患者に勧めるだけでなくご自身も健康法のひとつとしてコーヒー浣腸を実践しているとのことです(『酵素力革命』講談社182ページから183ページ)。

 

“コーヒーエネマは、もともと独自のガン食事療法を開発したマックス・ゲルソン博士(1881~1959)が広めたものですが、私はこれに改良を加え、腸相をよくする新谷式のコーヒーエネマとして患者さんにすすめています。”

“コーヒーの薬理効果としては、カフェインの覚醒作用、利尿作用などがよく知られていますが、じつはそれだけでなく、肝臓の行っている解毒作用(毒素の分解)を助ける働きがあることもわかっています。”

“コーヒーエネマは、腸に良質のコーヒーを直接流し込むことで、その薬理作用だけを十二分に引き出すことができるのです。”

ゲルソン療法を知るには、まず『ガン食事療法全書』(徳間書店)

上記のゲルソン療法が、なぜ上記の内容となっているのか、その根拠については、マックス・ゲルソン本人が書いた『ガン食事療法全書』(徳間書店)を読むのが一番です。というのも、日本でがんの食事療法を説いている医師として有名な星野医師の書物も、済陽医師の書物も、なぜゲルソンが上記の療法を主張している(いた)のかという理論的根拠についてはあまり詳しく紹介していないからです。

ゲルソン療法が日本で広まるきっかけとなった、星野式ゲルソン療法

星野式、済陽式に取り入れられた原法

・無塩食

・大量の野菜・果物ジュースの摂取

・動物性たんぱく質の制限

星野式、済陽式に取り入れられなかった原法

・子牛の生レバージュースの摂取

・コーヒー浣腸(コーヒーエネマ)

・大豆製品の摂取の禁止

・甲状腺ホルモン剤(ヨード剤)の服用

・カリウム剤の服用

星野式ゲルソン療法と済陽式食事療法の違い

全体として星野式の方が厳しい

がんの食事療法を学ぶ際に必須の書物が『「ガンが食事で治る」という事実』(マキノ出版)です。星野仁彦医師と済陽高穂医師との対談をまとめた本ですが、お二人の率直な見解が述べられていて大変勉強になります。

この本では、星野医師が済陽式食事療法について「甘い!」とおっしゃっています。もちろん済陽医師はそれに反駁していますが、いずれにせよ、星野式ゲルソン療法と済陽式食事療法には違いがあります。

どのような違いがあるか以下にまとめてみました。

動物性たんぱく質でも、卵・鶏肉・ヨーグルトを許容する済陽式食事療法

ゲルソン療法の原法では、動物性たんぱく質の摂取が禁じられており、星野式ゲルソン療法はこれを厳格に守ります。つまり、卵、鶏肉、ヨーグルトも禁止です。一方、済陽式食事療法では、卵、鶏肉は良質なものを少量であれば認めます。ヨーグルトに至っては、1日に300グラムから500グラムとかなり大量の摂取をすすめています。スーパーでメジャーなビヒダスヨーグルトは400グラムですから、それを一日ひとつ消費せよ、という主張です。

ゲルソン療法とあらふお

ゲルソン療法は日本で最も有名な癌の食事療法ではないでしょうか? 他の日本人医師の方の食事療法も、ゲルソン療法そのものではなくてもその焼き直しもしくは改良であるようです。

ゲルソン療法を実施したあらふおは、ジュースを大量に飲むことが原因と思われる体温の低下に悩まされました。そして、免疫力アップにはむしろ体温をあげることが推奨されているので、ゲルソン療法の遂行を悩んだ時期もありました。

しかし、ゲルソン療法はその副作用を上回る効果を期待できたので、私自身はやってよかったと思っています。低体温については、ストレッチや風呂に入る回数を増やす(1日3回とか)ことで対応しました。

厳格にゲルソン療法を遂行するあまり、ストレスになっては元も子もないと考えていましたので、バランスが難しかったです。基本的にあらふおは自分を追い込むことが得意でストイックな性格なので、ゲルソン療法には向いていると思いましたが、その性格が癌を招いたとも言えるので、なんとも複雑な気持ちです。